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  • 作業療法臨床の知ー作業療法臨床の体感の言語化 臨床の積み重ねから生まれた作業療法哲学

作業療法臨床の知ー作業療法臨床の体感の言語化 臨床の積み重ねから生まれた作業療法哲学

B5 / 240頁 / 2020年 
【著】山根 寛

商品コード: ISBN978-4-89590-695-1

本体価格:3,600 円

定価: 3,960 (税込)

商品情報

内容紹介

初めて日本の作業療法臨床哲学についてまとめた本。


数学的客観化が困難な作業療法の質的エビデンスとはどのようなものか、どのように積み重ね、どのように伝えたらよいのか。その理解と実践のためには、作業療法の理論や技術の質的エビデンスの基盤となる根拠、すなわち作業療法哲学が必要である。

本書では日本の作業療法の哲学的基盤について、現象学的アプローチ、西田哲学、中道態、動的平行といったキーワードとともに解説し、さらに作業療法において欠かすことのできない視点として、当事者研究、悲哀の仕事、障害受容について記載している。
また著者、山根寛の提唱する「YMCOT-臨床作業療法山根モデル」についてイメージモデル図を用いてまとめ、紹介している。

目次

目次
序にかえて

1 中動態と作業療法哲学
 1.1 中動態
  1.1.1 中動態の語源
  1.1.2 中動態のなぞ
 1.2 作業療法と中動態
 1.3 作業療法哲学と中動態
  1.3.1 動的平衡と中動態
  1.3.2 作業療法哲学の基盤となる中動態
  1.3.3 作業療法哲学に必要な概念
   1) 作業―生活のいとなみ
   2) 作業療法士
   3) 集団.場―集まり,集めることの利用

2 西田哲学と作業療法原理
 2.1 西田哲学
  2.1.1 西田幾多郎とは
 2.2 西田哲学と動的平衡
  2.2.1 動的平衡という概念
  2.2.2 動的平衡と絶対矛盾的自己同一
 2.3 西田哲学と作業療法原理
  2.3.1 生活に必要な機能の喪失
   1) 生活維持機能の障害
   2) 活動機能の障害
  2.3.2 関係性喪失のプロセス
  2.3.3 器質的要因による関係性の喪失
  2.3.4 機能的要因による関係性の喪失
   1) 身体に関する認知の障害.異常
   2) 精神病理を含む心因性のもの
 2.4 関係性の回復
  2.4.1 関係性回復のプロセス
  2.4.2 作業―生活機能モデル
   1) 自己の身体の確かめ
   2) 主体性の回復
  2.4.3 身体の取りもどしと作業
   1) 心身が統合されている状態
   2) 自分と身体の乖離
   3) 心身統合の回復
  2.4.4 生活の立てなおしと身体
 2.5 心身の乖離と作業療法
  2.5.1 麻痺―思うように動かない身体
   1) 麻痺における心身の乖離と作業療法
  2.5.2 不随意運動―コントロールできない身体の異常運動
   1) 不随意運動と作業療法
  2.5.3 身体失認―実在を無視される身体
   1) 身体失認と作業療法
  2.5.4 半側空間無視―実在するものを無視する身体
   1) 半側空間無視と作業療法
  2.5.5 ファントム現象―幻の手足をもつ身体
   1) ファントム現象における心身の乖離
   2) 作業をもちいる療法のアプローチ
  2.5.6 摂食障害―受けいれられない身体
   1) 摂食障害と作業療法
  2.5.7 離人症状―実感のない身体
   1) 離人症状と作業療法
  2.5.8 転換症状―こころの声を語る身体
   1) 転換症状と作業療法
  2.5.9 幻覚―実在しないものを見聞きする身体
   1) 幻覚と作業療法

3 メルロ=ポンティと作業療法臨床の知
 3.1 メルロ=ポンティ
  3.1.1 メルロ=ポンティとは
  3.1.2 思想の背景
 3.2 メルロ=ポンティと身体・精神
  3.2.1 メルロ=ポンティと現象学
  3.2.2 身体・精神(メルロ=ポンティ)と作業療法
   1) 作業のクオリア
   2) 作業がアフォードするもの
   3) 作業と結果の特性
   4) 社会.個人的価値や意味
 3.3 作業療法の特性
  3.3.1 作業療法の原理
  3.3.2 作業と結果の特性
  3.3.3 作業療法の目的
  3.3.4 作業療法の手段
  3.3.5 生活行為(目的と意味のある作業)
  3.3.6 ことばと作業
  3.3.7 ひとが作業すること
   1) 能動性―意志がはたらく
   2) 身体性―からだを使う
  3.3.8 ともに作業する
   1) 共有性―体験をともにする
 3.4 作業がつくる場の力
 3.5 作業の知

4 動的平衡と作業療法過程
 4.1 動的平衡
  4.1.1 動的平衡とは
  4.1.2 動的平衡の発見
  4.1.3 動的平衡の生命論
   1) 近代科学が見失ったもの
   2) 記憶の仕組み
  4.1.4 動的平衡の定義
 4.2 動的平衡と西田幾多郎

5 悲哀の仕事と死の受容
 5.1 悲哀の仕事
  5.1.1 「喪失」とは何か
   1) 喪失による心理的反応
   2) 喪失体験からの回復過程に違いを生む要因
  5.1.2 対象喪失からの立ち直り
 5.2 悲哀の仕事とフロイト
  5.2.1 フロイトとは
  5.2.2 フロイトと悲哀の仕事
 5.3 悲哀の仕事とキューブラ・ロス
  5.3.1 キューブラ・ロスとは
  5.3.2 キューブラ・ロスの死の受容のプロセス
 5.4 危機理論・モデルに関する説いろいろ
  5.4.1 危機理論・モデルとは
 5.5 悲哀の仕事と作業療法

6 当事者研究と作業療法
 6.1 当事者研究とは
 6.2 向谷地生良の当事者研究
  6.2.1 向谷地生良とは
  6.2.2 向谷地生良の仕事
 6.3 当事者研究の生まれた背景
 6.4 当事者研究のスタイル
 6.5 当事者研究の展開
  6.5.1 当事者研究の進められ方
  6.5.2 当事者研究の可能性
 6.6 べてるの家の当事者研究
 6.7 Hanaの当事者研究
  6.7.1 Hanaとは
  6.7.2 Hanaはなぜ大学院に行ったのか
  6.7.3 Hanaは作業で何を体感したのか
   1) 大学院の体験
   2) 当事者であることの開示
   3) Hanaの研究テーマは何?
   4) 大学院のゼミという環境
  6.7.4 Hanaが作業で体験したこと
   1) 作業依存ということ
   2) 自分の行動の現実検討
   3) さらなるに自分への気づき
  6.7.5 Hanaに学会発表でおきたこと
   1) めったに行けないのだし
   2) 学会発表を決心するまで
   3) 演題投稿
   4) ストレスによる症状
   5) 何とか乗り越えて
   6) 学会発表
  6.7.6 Hanaのその後
   1) 長い体調不良
   2) 親戚との交流の深まり
   3) 少し深まった自己認知
  6.7.7 Hanaの当事者研究の振り返り
   症状の向こうに人間を見る
   身近な作業が道しるべに
   言葉と作業で診る
   表情や所作に優雅さがもどる
   作業ができる待合室は可能か?
   精神医療は大きく進んだが……
   病いと共存できるかも
   新しい宿題
 6.8 当事者研究と作業療法哲学
  6.8.1 当事者研究と作業療法
  6.8.2 当事者研究と作業療法哲学

7 障害と受容
 7.1 「しょうがい」という概念
  7.1.1 法と障害―呼称の歴史的変遷
  7.1.2 改定常用漢字表の「碍」の考え方
  7.1.3 障害学における英米の社会モデルについて
  7.1.4 呼称に対する肯定的意見と否定的意見
  7.1.5 自己受容と社会受容
  7.1.6 障害受容とアイデンティティ
 7.2 障害受容モデル
  7.2.1 障害受容の段階論
  7.2.2 障害受容段階論と現実の不適合
 7.3 国際障害モデル
  7.3.1 国際障害分類
  7.3.2 障害構造論と障害モデル
   1) 病気と障害の共存
   2) 相対的独立性
   3) 障害相互の影響
   4) 環境との相互性
   5) 障害の可逆性
   6) 二次障害の可能性
   7) 偏見.差別の存在
 7.4 障害受容と作業療法哲学
  7.4.1 だれが障害を受容するのか
  7.4.2 何を受容するのか
  7.4.3 障害受容はできるのか
  7.4.4 治療・支援者の役割

8 作業療法と臨床の知
 8.1 作業療法臨床の知
  8.1.1 作業療法の源流―養生法として
  8.1.2 専門職としての作業療法士の誕生
  8.1.3 作業療法の哲学的基盤
  8.1.4 作業療法プロセスモデル
  8.1.5 アメリカ作業療法協会(AOTA)の作業療法実践フレームワーク
  8.1.6 作業療法の臨床と基盤となる哲学
 8.2 私(山根)の臨床作業療法史
  8.2.1 臨床作業療法のはじまり
  8.2.2 民間病院を出て大学病院で作業療法
  8.2.3 木村敏との出会い
   1) 木村敏とは
   2) 木村哲学の成り立ち
   3) 木村敏と反科学
   4) 西田哲学との出会い
  8.2.4 「トポスの知」―「場」と「場所」
  8.2.5 「空気・場」の影響と作業療法臨床哲学
  8.2.6 「場・場所」から考える
  8.2.7 冠難辛句―こころの煙突掃除
  8.2.8 私(山根)の臨床経験の言語化
 8.3 作業療法におけるエビデンスと作業療法臨床哲学
  8.3.1 神谷美恵子とは
  8.3.2 生きがいとは何か
  8.3.3 生きがいと作業療法
  8.3.4 作業療法とその特性

9 YMCOT―臨床作業療法山根モデル
 9.1 臨床作業療法山根モデル(YMCOT:YAMANEModelofClinicalOccupationalTherapy)
  9.1.1 YMCOT―イメージ図1
  9.1.2 YMCOT―イメージ図2
  9.1.3 系統発生を階層構造としてもつ脳
  9.1.4 脳の可塑性と学習の可能性
  9.1.5 感覚.運動情報フィードバックモデル
   1) リンゴの感覚的クオリア
   2) リンゴの志向的クオリア
   3) ナイフと初期身体像
   4) ダイナミックに修正される身体像
   5) 作業という脳内現象
  9.1.6 知覚のカテゴリー化モデル
  9.1.7 情報入手器官と情報の種類
  9.1.8 ひとの能動的行為・行動・動作
  9.1.9 統合認知機能と感覚の発達
  9.1.10 ことばと作業によるかかわりの違い
  9.1.11 社会脳と社会適応行動

10 作業療法とは
 10.1 作業療法とは
 10.2 作業療法の特性
 10.3 作業療法における作業とは
 10.4 ひとと作業
  1) ネオテニー化という代価
  2) 現実原則の発達
  3) ひとと作業
 10.5 精神の病いと作業
  1) システムプログラム
 10.6 作業療法と各治療法との関連
  1) 薬物や外科的介入による身体療法の特性
  2) 対話型の言語的介入による精神療法の特性
  3) 活動を手段とする作業療法の特性
  4) 作業療法の目的
  5) 作業療法の役割
  6) 生活機能の評価
  7) 生活支援
 10.7 作業療法の手段
  1) 生活行為(目的と意味のある作業)
  2) ことばと作業
  3) 介入
  4) QOLからQODへ
 10.8 精神認知機能の回復過程と状態
  1) 要安静期
  2) 亜急性期
  3) 回復期前期
  4) 回復期後期
  5) 生活(維持)期
  6) 緩和期
 10.9 作業療法の効果と根拠
  1) 客観的効果と主観的効果
  2) 作業療法の効果と回復状態
 10.10 作業療法が療法として成りたつ条件

付表
エピローグ
索引

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